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サポートNo.132(2020.8.20発行)の掲載内容

【1】タヌキ保護の報告(音成邦仁、小笠原浩平)北海道釧路管内鶴居村の道路わきで、交通事故と思われるタヌキの保護収容があった。骨折ほかの受傷があり、妊娠中であった。治療の甲斐なく5日目に死亡、肋骨の骨折と肺の出血を確認した。胎子は8頭であった。交通事故に遭うタヌキなどの小動物は少なくないと考えられる。  【2】コムクドリのガラス衝突(黒沢信道)釧路管内鶴居村で民家の窓ガラスにコムクドリ幼鳥が衝突し、収容された。安静、経口補液等の処置により回復し、無事に放鳥された。窓ガラスへの衝突事故は数多く起きており、的確な対処をすれば救命・放鳥に至ることが多いが、関心のある人でも即時の対応はなかなかできないようである。救護技術を広く知ってもらう必要がある。【3】猛禽類医学研究所における一般鳥類の収容状況(安達光) 猛禽類医学研究所では、環境省の委託を受けて希少鳥類の保護・収容活動を行っているが、そのほかに一般鳥類の収容も行っている。2019年度の一般鳥類の収容状況をまとめた。収容総数は37羽。収容原因では多い順に交通事故13件、ガラス窓等への衝突事故9件、そのほかにカラスに襲われたもの、コシジロウミツバメの内陸への迷行例などがあった。野生復帰率は57%だった。 季節別に見ると、初夏から秋にかけて夏鳥、幼鳥の収容数が多かった。【4】フクロウの亜種判定に北海道内から血液を提供(活動報告) 本州で、違法に飼われていた疑いのあるフクロウが収容され、密猟された疑いもあったことから血液検査により調べることになった。この資料として、救護研究会の関係する2施設より北海道産のフクロウ4羽の血液サンプルを提供した。検査の結果、当該フクロウは北海道産ではなく本州産の亜種であることが分かった。                   その他、野生動物の救護に関連するNewsやLetterを掲載。